2021.01.27

【アンケート調査】死生観や終活をテーマにした映画ランキング

弊社が運営する葬儀のデスクで、人生のエンディングを描く作品で印象に残ったものや好きな映画のアンケートを実施しました。
調査結果を報告します。
※対象者:30代〜70代の男女221名

死生観を描いた映画第1位は「おくりびと」

「死生観」をテーマにした映画の中で、好きなものや印象に残った作品を自由記述3作品まで回答してもらった結果です。

1位に輝いたのは納棺師をテーマにした作品の『おくりびと』。
半数の人が印象に残ったと回答しています。

ひょんなことから納棺師となった主人公が、周囲から反対されながらも故人や残された遺族と触れ合うことで納棺師という仕事に向き合い成長していく姿を描いたストーリー。

<『おくりびと』感想>
・40代,男性「死者の尊厳を大切にし、優しくそして淡々と体を拭いていく姿がとても美しかった。」
・50代,女性「故人や遺族に寄り添っていた主人公の姿を見て、葬儀屋さんのイメージが変わった。」

そのほかにも「お葬式」をテーマにした映画では、『ゆずりは』や『お葬式』などがランクイン。
人生で何度も経験しないお葬式。
日常では知ることのないシーンを見ることで、初めて知ることや気づくことがあったのかもしれません。

次いで票数が多かった作品はピクサー・アニメーション・スタジオ製作の『リメンバー・ミー』です。
メキシコの祝日「死者の日」をテーマにした作品で、亡くなった先祖が「死者の日」にだけ家族に会いにこれるというユニークな設定で描かれています。

主人公の少年とどうしても家族に会いに行きたいと願う死者が織りなす物語。
「家族の愛」という不変的なメッセージを伝えています。多くの人がいつまでも家族を大切にする気持ちに感動したと回答していました。

<『リメンバー・ミー』感想>
・40代,女性「いつまでも家族を思い続ける気持ちに感動した。」
・30代,女性「死後も祖先を思って供養することの大切さを知った。日頃から意識して手を合わせようと思う。」

3位に選ばれたのは『死ぬまでにしたい10のこと』。
余命宣告を受けた若き母親が、死ぬまでにしたいことを書き出し、誰にも打ち明けず実行していく姿を描いた映画です。

<『死ぬまでにしたい10のこと』感想>
・50代,男性「娘たちに残していたメッセージ、自分がいない世界でも娘たちの幸せを願う姿に母親の強さを感じた。」
・30代,女性「少しでも後悔を残さないよう、私も死ぬ前にやることリストを作ろうと思う。不倫はしないけど。」

上位にランクインした『最高の人生の見つけ方』も「死」を前にした時、立場や年齢に関わらず悔いを残さず人生を楽しむという主人公たちの前向きな姿が描かれています。
行ったことがない場所に旅行したり、大切な人にメッセージを残したり、友人と語り合ったり、家族との関わり方を見つめ直したりなど、「死」を意識したことでさまざまな行動にでる映画の登場人物に共感したようです。

「終活」は自身の「死」を考えるだけでなく、「死」と向き合うことで今の生き方をもっと豊かにするものでもあります。
ここからは、映画を見た方たちへ「終活」についてのアンケートをとってみました。

自分の葬儀にはあまり費用をかけたくないと回答した人が過半数

 

Q. 「自分の葬儀にかける費用」として適正だと思う価格はいくらですか?

自分の葬儀のかける費用は「30〜60万」でいいと回答した人は過半数を越えました。
お葬式の規模が縮小しつつあるとはいえ、全国の平均費用よりもかなり安い金額です。

※2017年の平均相場:195.7万円(日本消費者協会 「葬儀についてのアンケート調査」より)

「経済的負担をかけたくない」
「自分のお葬式は質素で最低限のものでいい」

多くの映画でも描かれていたように、できる限り家族に「残したい」という気持ちが強いのでしょう。

自身の葬儀は簡素に、家族は手厚く弔いたいと考える人が多い

Q.「自分が喪主になった時にかける費用」として適正だと思う価格はいくらですか?

約6割の人が自分の葬儀は選択肢の中でも一番安価な30〜60万円でいいと回答。
しかし、家族の葬儀にかける金額では約4割と過半数を下回りました。

さらに、自分の葬儀に90万円以上かけると回答した人はわずか18.1%しかいませんでしたが、家族の葬儀となると約2倍にアップしています。

自分の葬儀は遠慮し質素でもいい、家族に負担をかけたくないとの想いが強い一方で、大切な人の葬儀は手厚く立派なお見送りをしてあげたいという思いが強いのでしょう。

終活でやりたいことは「所持品・個人情報の整理」

 

Q.終活で「やっておきたい」ことはなんですか?※複数回答

終活でやっておきたい項目として「所持品の整理」「個人情報の整理」と約半数人が回答。
次いで多かったのが、「遺言書を残す」ことでした。
遺族が死後の手続きで苦労しないように整理しておきたいという事務的な面が強いようです。

その一方で、「エンディングノートを残す」や「家族や大切な人に手紙を残す」など、生前の想いを伝えたいというメッセージ性が強いものも上位にあがりました。
日常では照れくさく伝えにくいことも、「手紙」や「エンディングノート」を通じることで想いと伝えやすくなるでしょう。
「死」が人に与える影響は計り知れません。
大切な人に最期のメッセージを残すことは、残された人の救いになることもあるでしょう。

まとめ

「死」や「お葬式」などをテーマにした映画には、人の生き方を考えさせられるメッセージが込められています。
重々しい作品だけでなく、コミカル描かれたものや、登場人物のポジティブな考え方などで重くなりすぎず、気楽に鑑賞できる作品も多いです。

「死生観」をテーマにした映画や作品にふれることで、自分にとっての「死生観」を考えてみるのもいいのではないでしょうか。

出典:【映画に関するアンケート調査】死生観や終活を描いた作品
https://www.atpress.ne.jp/news/234777